われわれ日本人が皆、なぜマイホーム購入に力を入れているかといえば、その最大の理由は、老後の安定のためではないだろうか。今以上に社会保障が発達し、老後も住宅費が極めて安くすみ、快適な空間を確保できるとすれば、誰もが住宅にお金をかけず、もっと文化的なことや、旅行などのレジャーや趣味など生活の質を豊かにすることに使うだろう。しかし、日本でとくに大都市に住んでいれば、高い家賃を払い続けなければいけない上に、満足な住スペースを確保することすら極めてむずかしい。そこで、自分の給与や収入に照らし合わせて、可能であると考えると、人々はマイホームへと走るのだ。このような状況下では、皆と同じ方向に走るのが賢明だ。社会保障の充実など理想論を説えても、しょせん政治や行政はそこまで面倒を見てくれるわけではない。いくら「ない物ねだり」をしても仕方がない。マイホームは自分の努力と才覚で獲得するしかないのだ。つまり、金利が安い、地価が下がっている、物件価格が安いという現在の状況の変化に対して、ことのほか注意を払い、行動すべき時に来ているわけなのである。とくに、老後は、その支えである年金財政が、破綻することは目に見えている。自分の住む家ぐらいは自分で用意しておかなければ、あなたが年を取り、働けなくなった時に、とんでもないことになってくるということを十分に認識しておくべきだろう。そのような意味から、私は「借りるよりも、買える時に買え」と声を大にして言うのだ。
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