展示場住宅の一階の持つ「公的性格」を最もよくあらわしているのは、一階の和室だろう。外観がコロニアルであろうとチューダーであろうと、「一部屋は和室に」と考えるのが展示場派の心情である。それは彼らが日本びいきだからでも、日本文化を愛しているからでもない。今日の日本において、和室とは接待用の部屋なのである。家族のメンバーだけで、この和室が使われるということはほとんどない。そこで「会社の方々」、あるいは時として親戚の接待をするのである。
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展示場派の和室において、時として柱は木の生地の色ではなく、黒く塗られている。一つには実際的理由からである。黒く塗ることで安い材料はそこそこのものに見え、かつ黒い塗装は手垢のつきにくいメンテナンスフリーの仕上げである。しかし理由はそれだけではない。黒く塗られることで和室はほとんどジャブジャブ屋のごとき様相を呈する。生地仕上げの内装の料亭は多少堅苦しいと考える展示場派にとって、ジャブジャブ屋程度の接待が最も快適なのである。