鉄の熱伝導率は五三、アルミは一七五にもなり、金属がいかに熱を伝えやすい素材であるかが分かります。それに対して、木の熱伝導率はわずか〇・二。これはコンクリートの六分の一、鉄の二六五分の一でしかありません。木はそれほど熱を伝えにくい素材なのです。このことを家に当てはめて考えてみれば、木が建築素材としていかにすぐれているかがすぐ分かります。床がもしコンクリートむき出しのままだったら、足から熱がどんどん奪われて、しもやけができてしまうに違いありません。
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まして、鉄の床の家に住もうと考える人など、いないはずです。では、なぜ本は熱を伝えにくいのか。それは本が無数の細胞の集まりで、その細胞の一つ一つが空気を含んでいるからです。空気の熱伝導率はたったの○・○二。非常に熱を伝えにくい空気をたくさん含んでいるために、木も熱を伝えにくいのです。毛糸のセーターや毛布が体の熱を逃がさないのと同じ理屈です。ちなみに毛布の熱伝導率は○・○五程度。フローリングの床より、じゅうたん張りの床のほうが足にあたたかく感じられるのは、じゅうたんの熱伝導率がきわめて低いせいなのです。