どんな仲介会社が望ましいのでしょうか。ひと言でいえば「バイヤーズ・エージェント」です。いわば、買主側の代理人として助いてくれる不動産売買の専門家のことですが、特別な資格や免許があるわけではありません。仲介会社がどのようなスタンスでユーザーに接するかということを表しています。そもそもアメリカで発達したしくみで、向こうでは買主の利益を第一に考えて忠実に務める義務を負い、厳しい倫理規程が設けられているのが特徴です。日本の不動産仲介会社は、売主と買主の間に立って物件を媒介(仲介)するのが役割です。売主サイドでも買主サイドでも、どちら側にも立ちます。売主から売却の依頼を受けた物件を、自ら探してきた買主に斡旋するケースも珍しくありません。この場合は、売主と買主の双方から仲介手数料を取るため、業界用語で「両手」といいます。対する「片手」は、売主・貝主それぞれに仲介会社が付く場合です。このうち売主側に付くほうを「元付け」、買主側に付いたほうを「客付け」といいますが、単なる客付け業者をバイヤーズ・エージェントとはいいません。もともと日本では「両手志向」の仲介業者が少なくないのが現状です。ただ、本来は売主と買主は利害が対立する関係にあるため、両方の間に立ってしまうと、利益が相反する恐れがあります。利害関係者のどちらにも中立的に接して、客観的に判断することなどできるのでしょうか。民法では、どちらか一方に有利になる「利益相反」を防ぐために法律行為に関しては「双方代理」を禁じていますが、不動産取引を規制する宅地建物取引業法ではなぜか野放しです。仲介会社の両手商売は法的には問題ありませんが、業者のモラルとしてはグレーゾーンといえるでしょう。
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